森鴎外 『舞姫,うたかたの記―他3篇』

森鴎外の独逸三部作や翻訳一つを含んだ短編集。独逸三部作は物語のプロットはともかく、西洋コンプレックスでもあるかのようにやたら美人に書かれたヒロインたちがどれもわりと素敵で、ラノベ好きの俺でもキャラクターで結構読ませるなというところ。それだけに『舞姫』も『うたかたの記』も結末に「……なんで、そんな」と呟いちゃうほど救いはないんだけど。特に『舞姫』はなあ、21世紀のエロゲの主人公ならもうちょっとうまくやりますし世界ももう少し優しいのですが。その辺の現代とのずれを、文語体の古めかしさと一緒にどうぞ、ということで。

舞姫・うたかたの記―他3篇 (岩波文庫 緑 6-0)

舞姫・うたかたの記―他3篇 (岩波文庫 緑 6-0)