野村美月 『“文学少女” と神に臨む作家』

想像力をもってすれ違う人々が想像の力で救われる物語。完結編。よかったー。これまでは人間関係を俯瞰する立場にいた遠子先輩を、話の中心に据えてある意味舞台へ降ろすということをやる為に、ようやっと主人公も重い腰を上げて探偵役を代わるという過程があってこそのこのエンディングなんだろうな。ヘタレのままだと選択肢が発生しません。作家とか本とかについての無条件の神聖化はあるんだけど、それがむしろ本好きには心地いい。