武者小路実篤 『人生論・愛について』

うーん、小説で読む時の武者小路実篤の理想論というのはその登場人物の個人のテーゼとして「お、かっこいいなあ」と思って納得するところが多いんだけど、こう随筆や論として道徳や愛、生命の意志を持ちだしてきて「こうあるべき」と語られると、意外と腑に落ちないなあ、というのが第一印象。相対主義の影響、かしらん。どこまでを共同体として共感の範囲に含められるかとか、それを広げていくと情報処理の観点から今のところ資本主義に落ち着いてるんじゃねえの、というあたりが感想。

人生論・愛について (新潮文庫)

人生論・愛について (新潮文庫)