萬屋直人 『旅に出よう、滅びゆく世界の果てまで。』

セカイ系ラノベ、かな。といっても余計な設定なんかが書かれているわけではなく、舞台をいい感じに整えるため、という程度のもの。名前などの固有名詞、個というものが喪失していって肩書きや属性なんかでお互いを呼び合う中で、姫というあだ名や、取締役と秘書という縋るべき関係性を呼び名にすることは多分意味があることなんだな、とか、それで主人公が少年と少女、一緒に旅してんのにそんな素っ気ない呼び方でいいの、ということの意味が、たぶん、この設定の中で二人がそんな切羽詰まらずに旅を続けてゆけることの理由なんだろうな、と。結構良かったです。

旅に出よう、滅びゆく世界の果てまで。 (電撃文庫)

旅に出よう、滅びゆく世界の果てまで。 (電撃文庫)