中島聡 『おもてなしの経営学』

user experienceをおもてなしと訳してアップルや任天堂が支持を得た理由を書いた第1章、著者の経歴を生かしてアメリカの現況を中心としたIT産業の概観を示した第2章、そして後半を対談が占める。この後半の対談相手のラインナップ(ひろゆき、古川享、梅田望夫)を見て買った本だったけど、期待に違わず対談が面白かった。特に古川氏な。

おもてなしという言葉もそうだし、古川氏との対談の中に出てきた、客を意識した「天を見る」と上司を意識した「上を見る」の話もそうだけど、問題の適切な設定という言葉では片付かないというか、やっぱり世代が一巡りしないと難しいのかなあ、とせっかくこの本で昂揚した気持ちは現実を考えれば考えるほどにしぼむ。あとはまあ、シリコンバレーが日本に欲しいならシリコンバレーと同じルールを作れというような話じゃねえのかな、とも思う。日本を捨てない日本のプログラマってのはよくわかんねえな。
おもてなしの経営学 アップルがソニーを超えた理由 (アスキー新書)