『すごい!アニメの音づくりの現場』

アニメの音響監督のインタビュー集。といってもめくるめく枕営業の話ではなく、手がけた作品を見る限り日本のほんとに第一線級の音響監督を揃えて1人1人にかなりしっかり話を聞いていて、総勢12名(効果やミキサー含)300P弱にわたるインタビュー集は読み応えがある。普段そんなに露出が多くない職業なだけあって、ベテランも気鋭も醸成された職業観を話しているようで、音響監督を目指すような人だけじゃなく、普段声優ファンをやってる人も音響監督という職業を知るという上で結構面白い本だと思う。音響監督レベルでのキャスティングの基準とか、効果音やBGMの発注の話とかをまとめて読めることってあんまりないと思うし。

あと、やたら殆どの人に共通して話していたのが、やっぱりアニメの本数が多いってこと。インタビュー時点では去年の春,夏クールあたりを作ってるみたいなんだけど、業界全体で週100本とか言うのはやっぱりきついみたいだ。乱発されている現状を競争原理が必要だとして危機感を感じている人もいたり。声優ばっかりは外国に外注するわけにもいかないだろうしなあ。好きじゃないとやっていけない、だけどこの職業が好きだからこそ時間をかけたい、みたいな、なあ。
すごい!アニメの音づくりの現場