杉井光 『さよならピアノソナタ』

キャラ立てもあざとくて、タイトルもイラストも狙いすぎ。だが、それを1つに纏め上げる構成力が凄い。何度も見せ場を作りながら、先輩の妄言(恋と革命だ)まで拾い上げて伏線を回収して1つの旋律にしてしまうのは、ありきたりかもしれないけれど美しいと思った。具体的なクラシックの曲名が結構出てくるけど、むしろ下手にクラシックやオールドロックの知識とかあると変なところが鼻についたりネタバレしたりするかもなので、まあ何も知らない方がいいかもね、というレベル。続刊は……出るのかー……この巻の最後が綺麗なだけに楽しみなような残念なような。

さよならピアノソナタ (電撃文庫)