佐藤雅彦,竹中平蔵 『経済ってそういうことだったのか会議』

会議と言っても、佐藤氏が疑問を投げかけていき竹中氏が先生として答えていく形をとっているので、ブレスト的な何かがあるわけではない、経済学の解説の本。現実に即した話ばかりでそれはわかりやすいし、佐藤氏の発する疑問の着眼点もなかなか鋭い。だけどやっぱり、竹中語録という形でピックアップしたりもして専門家である竹中氏の解説を聞くという形式だから、いまいち竹中氏の考えに納得できない部分があってもそれを経済学の事実として語られると反論できない。税金の解説とかはかなり竹中氏の私見も入ってるはずだけど、と思うけどなあ。まあこれは俺が竹中氏にあんまりいい感情を抱いていないというのもあるんだろうけど。

構造改革というのは日本人は好きです。でもちょっと日本の外へ行くと、あまり通じない。アジアやヨーロッパの国々では通じるようですが、アメリカでは通じない。

「ちょっと」であっさり太平洋を越えるな。アメリカ派の方とはいえこういう発言をあっさりしちゃうような人は脇が甘いと思うんだよなあ。

んで、文庫版に新録されたという「会議 その後」になると佐藤氏が少し概念的な反論(?)を語っていて、そこはちょっと対談ぽくて面白かった。

経済ってそういうことだったのか会議 (日経ビジネス人文庫)