ヘンリー・ジェイムズ 『デイジー・ミラー』

奔放に振舞う美人デイジー・ミラーに振り回されながらも惹かれる青年ウィンターボーンの視点から描かれる小説。
アメリカ的な無邪気さを持つデイジーを、欧州風の堅苦しさを持つウィンターボーンではなかなか理解できず苦しみ不安になる様子が細かく描かれていてよく伝わってくるものがあるんだけど、なんとなくデイジーの魅力が文章から伝わってこない。美人だというのは何度も書かれていてわかるんだけど。似たような話だとヒロインの描写はツルゲーネフ『はつ恋』の方が好きだったかなぁ。

デイジー・ミラー (新潮文庫)