幸田文 『おとうと』

初めて読んだ作者だが、久々に「これはっ!」という感じの小説に出会ったな。主人公の女学生の若い感性、親に対するもどかしさや無力感といったものが、著者の五十歳代の上品な重厚さをもって語られる。これは素直に読んでよかったと思える作品でした。

おとうと (新潮文庫)