支倉凍砂 『狼と香辛料』 Ⅰ-Ⅴ

シリーズもの。アニメ化にあたって一気読み。やたらamazonにお勧めされてたのでついうっかりともいう。

旅商人のロレンスさんの馬車にいつの間にやら賢狼ホロ(普段は美少女姿)が乗っかってて、一緒に旅をしていくよ、という話。
まあ何といってもこの作品の魅力はホロの魅力に尽きるでしょうな。なにも萌えパーツが大量に乗っかってるでもないこのホロさんなんだけど、Ⅰ巻から通じて、ホロの魅力とそれに惹かれていくロレンスを地の分で描いていて、読んでいくうちにホロが好きになること請け合いだなーという感じ。なんつうのかな、赤松健に対する批評で、『ネギま!』のパンチラは『ラブひな』のパンチラのように興奮する人間(けーたろ)がいないからエロさがないんだ、っていうのをどっかで読んだことがあるけど、文脈としてはそんな感じ。ホロがいて、その魅力に気付いていくロレンスを書くことでホロの魅力を浮かび上がらせる、というか。とても良かったと思います。

文章の内容の題材は、交易とか経済とかが多いみたいだけど、まあ世界観が世界観なので現実的にどうとか言うよりは、登場人物の発言や行動にひたすら合理性を求める手段として使われているような感じがしますね。それすらも結局、他人の意図を読みきる「賢」狼ホロの魅力であり、誰も予想しないジョーカーとしての賢「狼」ホロの魅力に帰着する、とすら言えるかもしれませんねえ。

んー、ホロの口調が大丈夫なら多分ガチでいい作品だと思いますね。アニメ化にあたって地の文がなくなるとどうなるかは別の期待。

狼と香辛料 (電撃文庫)
狼と香辛料 (2) (電撃文庫)
狼と香辛料 (3) (電撃文庫)
狼と香辛料 (4) (電撃文庫)
狼と香辛料〈5〉 (電撃文庫)