手嶋龍一, 佐藤優 『インテリジェンス 武器なき戦争』

今更感漂う本。読んだけどね。

日本のインテリジェンス界の第一者2人の対談。出てくる過去のエピソードの1つ1つはなかなか興味深くて、日本の外交における問題点を上手く浮かび上がらせている。ただ、現在の問題にも話が及ぶと、ソースの隠匿が必要になってくるというこの話題の特性も相まって、妙に二人でお互いを褒めあったりしながらさり気なくはぐらかしている。うーん、正直言って内輪の馴れ合いを見せびらかしているようにしか感じられない。書かれている内容だって口裏合わせて嘘ついてる可能性だってあるしね。まあ、色んな参考文献を示したりして「インテリジェンスについて知りたいならこのくらいの努力は要求するよ」みたいな意味での入門書なんだと思う。いずれにせよ、ここに書いてあるエピソードを鵜呑みにして「目が覚めました! 日本の裏側はこんなんなってるんですね!」とか言ってるのではなく、問題を自分で噛み砕いて考えるのが大事なんだ、というわりと当たり前の結論に達するんだと思う。それがメタ的に「インテリジェンス」の意味だったりなんかしてさ。

インテリジェンス 武器なき戦争 (幻冬舎新書)