一人で山に登ると、話す相手がいなくて無酸素運動になるのがよくないらしい(2日目 山形編)

よてい
6:57 仙台-(高速バス)-9:50 鶴岡
10:42 鶴岡駅前-(庄内交通・羽黒山頂)-11:20 いでは文化記念館前
14:50 羽黒山頂-(庄内交通・月山八合目)-15:43 鶴岡
15:50 鶴岡駅前-(羽越本線)-16:50 余目-(陸羽西線)-17:47 新庄
18:00 新庄-(奥羽本線)-19:21 山形-(奥羽本線)-20:12 中川
20:51 中川-(奥羽本線)-21:14 山形-(仙山線)-23:04 仙台駅

 5:30に起きて、高速バスで山形の鶴岡ってとこに行きます。ここのバスのチケットは事前予約制で、もう金も払ってるので、寝坊できなさに対するプレッシャーがすごい。そして乗ろうとして、財布の中でチケットの半券がちぎれちゃってることに気が付くね。

 高速道路の樹の間に一瞬見えたんだよね。

 ネタバレをすると、お前は試合開始前に球場の席に座りながら「いっそ中止してくれ」って思うよ。

 もうわりと山奥に入ったとこだったんだけど。なんか、お座りした犬っぽいんだけど首がすげえ太くてがっしりしてて、それで道路標識のあの真っ黒いシルエットじゃん。ちょう強そうな生きものだと思って。芋煮の神イモニー神の逆鱗に触れたものは芋にされてしまうという……。ちなみに、インターネットには色んなものを集めている人がいて、これもちゃんと「山形自動車道 動物注意」とかでググると出てくるんだけど、カモシカらしいよ。いや、ぜったいあれは肉食動物の絵だったって……。

 記録してないけど、撮影時間的に最上川じゃないかな。艦これ由来で川の写真撮って、「もしかして俺は川が好きなのでは……?」と気付くという。
 そんで鶴岡に着くんですけど。あのねえ、9:50着予定で次に乗るバスが10:42分発って上に書いてますけど。実はここの着くとこから9:45に1本前のが出てるんですよ。んで、バスだから、何もなければ早く着くこともあるでしょうよ。正直それを期待しているわけ。まあ実際は間に合わないねえ……。2分くらい間に合わない。俺から見てると、着く寸前に妙にもちゃもちゃ時間調整してるように見えるけど、実際はそうじゃないだろうしねえ……。運行会社も違うし。

 もう駅名駄洒落とかではないな。

 もうちょっとせめて、諦めのつく感じの接続ならばね。
 そんでこのバス停のとこにある、イオンみたいな商業施設? みたいとこで山形土産と、あとおにぎりを買いました。庄内米に枝豆と昆布のやつ。開店直後だったから、買った時点でまだ温かいくらいのやつ。うまかったはず。そんなこんなで1時間待って、羽黒山へ行くバスに乗りました。

 見えてくる大鳥居。まず山に入る前に、いでは文化記念館っていうとこに入って説明を聞くんだけど。そうねえ、まあ時間があれば、くらいの感じかなあ。


 羽黒山に入る前にある公衆便所。地下の洞窟ダンジョン感がヤバい。

 この門、随神門ってのから入ります。

 有名な国宝の五重塔、の横にある神木。すげえ。

 晴れてるように見える?

 そうでもないんだぜ

 まあこの辺りは入ってすぐのとこにあるんですけど、実際羽黒山の頂上の神社に行こうと思うと、石段を登らないといけないんですよね。2446段らしいですよ。杉に囲まれた山道が結構好評らしい。

 まあ大体こんな感じなんですけど、ちょっとあれですよね、地面が濡れてきてますよね。雨が降り始めてるんですよ。

 「この樹のうろに隠れて、背後から追いかけてくるゾンビをやり過ごすやつやwww」とかこの時点では楽しく思っています。

 石段です。

 杉は一方向にだけトゲトゲしいなあwwwなんて思っていたはずです。暢気なもんですね。

 あのねえ、結構急な石段だから、雨が降ってきても、傘をさして片手塞がるの、嫌なんですよ。そんなわけで雨に対してノーガード戦法で挑むんですね。無理です。

 無理です。

 無理です。

 雨めっちゃ降ってきてます

 本格的にびしょびしょになって、息も完全に上がってるし、もうほんと無理と思って、ほんとに杉の木の根元にしゃがみこんで休みました。ゾンビも来てねえのに、ほんとに樹のうろに隠れてやんの。このあと、もうちょっと行ったところに末社として小さい神社があって、そこの軒先を借りてもっかい休んでいます。いいですか、急な雨、神社の軒先で雨宿り、濡れて透ける下着、これが1人旅でなければちょっとした青春の匂いがしますが、この時の俺からしてるのは体温による生乾きの悪臭です。28歳のオッサンが出すやつです。

 ほんと、これにノーガードで濡れるの体力持ってかれる。長袖のパーカーをどうしていいか分からない。

 着きました。ゴールです。正味、五重塔から数えて40分くらいのはずなんですけど、ちょっと泣きそうになるくらいつらかった。あのねえ、ガイドブックなんか読むと杉に囲まれた山道に降り注ぐ神聖なパワーを感じよう、とか言ってるけど、かなり違うものが物理的に降り注いできてますからね。

 この近くの(更に深いところにある)山の神社も併せた、出羽三山神社というとこです。御朱印が見開き2ページであることで有名。いや、山伏文化の源流とか、もっと高名なポイントはあるけど。しかし、この更に深い山に何日かけていくコース、松尾芭蕉も当時行ったらしいんだけど、ほんと心肺能力すげえよな。こんなびしょびしょでぜーぜー言いながら、資料館みたいなとこ入って、その三山の立体模型みたいのを見つけて、現在地と、その一番奥の松尾芭蕉が行ったとこの距離を見て軽く絶望したもんね。自分の今いるとこ、びっくりするくらい低い。あんなにつらかったのに、それで登ってきたの、こんな低いの? って思った。
 そんで羽黒山の頂上からはバスに乗って戻ってきます。それでも予定よりは1本か2本くらい早いバスなのかな。なんつうかねえ、いざ頂上に着くじゃん、びしょびしょながらも汗とかひいてみると体温下がってきてて、もうすげえ寒いのね。それでいて9月上旬だから自販機も温かい飲み物とか全くないわけ。雨に濡れた寒さで寒いの、すげえかなしい。

 そんで、座席をできるだけ濡らさないような姿勢でバスに乗って、鶴岡駅に帰ります。

 これはバスに乗ってちょっと元気が出てきてますね。
 もうとにかく寒いから、さっきおにぎり買った鶴岡駅の商業施設で、パーカーを買おうと思って。

 中学生がうろうろしてるような年齢層向けのとこで、そもそも男性向けの店があんまないなか、ちょっと置いてあるとこを見つけて、まあ帰ってから使えなくもないかなっていうパーカーとTシャツを買いました。「いちおう試着もできますけど」とか言われてるけど、苦笑いで断るよね。そこの店がメインに推してたのは秋向けのジャケットなんだけど、今の俺のこのボロボロ具合でテーラードジャケットでもないな、ってんでゆるそうなパーカーにしました。あんま選択肢もない中から選んでるから、実際レジでそのパーカーとTシャツを一緒に見てみたら全然合ってなくて、その後トイレで着替えてみると、その時履いてたジーンズとも合ってなくてちょっと笑っちゃったね。つうか濡れたパーカーが寒すぎたせいで、逆に温かそうなパーカーを選びすぎて、ちょっと暑くなってる。
 そうこうしてるうちに鶴岡を出る予定通りの時間になりまして。まあこっから仙台に戻るまでの道のりは、アイモバで山形を制覇するためにわざと遠回りしてる節があって、実際一筆書きじゃない方法で行って戻ったりしてるから、青春18きっぷを使わずにやったら怒られるくらいのやつなんだけど。

 鶴岡駅。ちょうど高校生の帰宅ラッシュにぶつかってる。それで、ちょうど後ろのホームに着いた高校生が、ホームに降りた途端「この駅くさっ!」とか言って「俺か、俺の生臭さか!?」て思った。一応、近くの水産工場の可能性もなくはない。

 その羽越本線

これ。なんか1周回ったかっこよさになってない? どっちかっていうと、側面のカラーリングがすごい。まあこっからは、基本電車に乗ったり電車を待ったりする7時間になります。

駅名で何か言うシリーズ。ちなみに「あまるめ」です。

 結局我慢しきれずに飲んでたら、なんか向かいに座ってる男子小学生たちにやたら笑われた気がするんだけど。この日、本当にボロボロになったせいで、被害妄想がかなりひどくなってるから分からない。

 鮭の川って、そのまんまかと思って。後から調べると、境ホラにも出てくる鮭延氏とか関係あんだよね。

 鶴岡で押してもらった赤いスタンプのインクが、びしょびしょのジーンズのポケットに入れてたら完全に滲んじゃって。この日が9/7で、1桁の数字だから辛うじて読めるけど、くらいの感じ。

 白いボールのファンタジー

 まあ実際は中川駅にも灯りはついてるし、雨もやんでるから、そんなに変わらないけどね。赤湯駅ってとこまで行きます。

 何にもかかってないのに駄洒落っぽく言って、読んだ人になんか考えさせたときに「いや、何にもかけてないです、なんか駄洒落を思いついたとしたら、それはキミのオリジナル駄洒落ですよ、良かったですね」って言う技法があるんですけど、旅の2日目でそんな飛び道具を使う羽目になるんなら、駅名で何か言うシリーズ、諦めた方がいいですよ。

 この枝豆っぽいやつは、きてけろくんっていうんだけど。山形に来てけろとか言ってる。それがこの赤湯駅でこんな風に、檻に閉じ込められて助けてけろくんみたいになっててちょっと笑った。

 赤湯駅に来た帰りの電車。このあと、山形駅で牛肉どまんなかっていう駅弁を買って食いながら仙台まで戻っています。

 ちなみに川内は青森にもあった。