ZERO 『吐溜 〜TRUSH〜』

 99年の作。最初期のI'veがCGの塗りまでやったりしたことでお馴染みのエロゲ。まあエロゲとしての出来が褒められたもんじゃないのは皆さんご存知の通り、I'veのファングッズですよね。
 タカーセが原案としてクレジットされている内容は、先輩Sと後輩Mと呼ばれる男2人が、どっかの農具倉庫にヒロインを攫ってきたとこから始まって、一通りいたぶって挿入しておしまい、ヒロイン3人にEDが3種ずつあって、全部で3時間かかるかどうかくらい。というか、ヒロインの台詞が文字表示無くて音声だけなのでスキップができず、プレイ時間の半分くらいは、99年当時のエロゲ声優の、なんだかディレクションがズレて変な感じになってる音声を聴く時間に費やされる。
 テキスト、特にその男たちの台詞の仮名遣いが妙で、「そろそろイれてやるヨ・・」「ナカナカなモンだゼ・・」「もっと、キツく搾るンダ・・」とか言ってて笑う。「イれてやるヨ」って。能か。鼓打つぞ。
 さすがに曲がかっこいいのはさすがI've。今でもお約束としてライブの最初か最後を飾ることになってる『FUCK ME』と『美しく生きたい』がエンドロールでは流れるし、BGMもI'veなのでサントラとして買うのもあり。まあ『Infant nation』『Criminal party』とか、半分くらいは『TRUSH VOX』に入ってるし、あっちの方が音質いいから微妙ではあるけど。アレも今手に入らないからなあ。まあしかし、その折角の音楽の使い方も雑っちゃ雑で、生意気ショートカット女子のシャワーオナニーのBGMが『DREAM TO NEW WORLD』のインスト版で、「お前さてはそのまま踊り出すんじゃねえだろうな」っていう明るさがシュールだし、その稀代の名曲『美しく生きたい』がエンドロールに使われてるったって、あのイントロでエンドロールの大半が終わって、Aメロの「いつか絶望の彼方から」でフェードアウトしていくという雑さ。「マジで」って思う。
 あと、『FUCK ME』の歌詞でI'veファンをずっと悩ませ続けてきた「うぶろげな現実」って言葉、初出のこのゲームをやれば意味が分かるんじゃないかと思ってたんだけど、まさかパッケージの箱裏にアオリ文句として「うぶろげな現実」って書いてあると思わないじゃん。だからうぶろげってなんなの。もちろんフルコンプした今も分からないままである。

吐溜 ?TRUSH?

吐溜 ?TRUSH?