FAVORITE 『アストラエアの白き永遠』

 少数の人間だけが知っている超能力を使って人命救助をやってる組織に使われてる主人公たちが、最近異常気象の多発している月ヶ咲(時計台のある街)という雪国に赴任することになる、その月ヶ咲の異常気象の最たるものは、四季に関わらず雪が降るけどその雪は何故か積もらないというもの、なんて相変わらず童話チックな雰囲気を持つおはなし。ぱっと見ではなんか超能力と雪とで設定の柱が2本あって、大丈夫かしらなんて序盤は思うんだけど、最後にはちゃんとその2つがぴったり絡み合って素敵なエンディングへ。まあ実際その、各ヒロインを攻略し終わった後に進めるようになるグランドルートは、それまでの個別ルートで云々ヒロインと主人公で一緒に悩んでた問題がほっといても解決されてて「Kanon問題はそうじゃねーだろ」とは思うが。あとコロナルートの最後のアレ、なんだよ……。
 ただ、序盤の話のまわし方(連続的に起こる事件で、前の事件のうちに日常会話の中に次の事件の伏線を置いておく、それでヒロインやサブキャラの顔見せをちゃんとやる、そうしてる間に次々と開示される世界設定と、話のまわし方としか言いようがない)の妙、それに支えられたヒロインと幼稚園児の可愛さがヤバい。琴里は個別に入ってから急に可愛くなったけど、担当違うのかな。エロシーンちょっと保住っぽい気もしたが。あと一夏の回想3枠目がエロかった。
 そういや、雪が降るけどすぐ溶けて積もらないということを描写するのに、雪降ってるのに誰も傘を差していない、みたいな記述があるんだけど、雪国の雪ってむしろ溶けないからこそ別に濡れないからいいやっつって傘を差さないで頭に雪を積もらせたまま歩くもので、なんなら北海道には、建物に入る時にそのコートに積もった雪を手で払うという動作を表す専門の動詞"ほろう"があるくらいのものなのだ。

アストラエアの白き永遠 初回限定版

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