唐辺葉介 『電気サーカス』

 週刊アスキーに連載してたやつ。ISDNとかが出始めた頃のテキストサイト界隈に青春を過ごした、猥雑で憎めないクズな人の話。小物とかディテールがそれを用いるだけで、どうにもだめでだめでだめな主人公がぐるぐるぐると酩酊する救えなさはこの著者特有のものだとも言えるし、しかし今回はそう、ちょっと昔の話をしてるだけあって、最後の結末がやや普通で、それは「いや、意外と救われたよね、自分ら」でもある気がする。とてもよかった。