Liar-Soft 『Forest』

 英国児童文学好きのためのファンタジイ。脇役や物語の展開の全部に出典があって、まあ主だったところを押さえてからやった方が絶対面白いと思う。最低限だと『ナルニア』と『ウォーターシップ・ダウン』、出来れば『くまのプーさん』も、というとこだけど、ちゃんとやろうとすると結構大変。まあ元ネタ自体が面白いし、それは色々量を読めば読むほど、物語の型みたいのが面白くなってくるし、それがこの作品の対象/登場人物である"英国児童文学好き"への第一歩なのだと思うけど。しかし、ではこの『Forest』自体の面白さとはなんだろうね。出典を悪趣味にねじ曲げて見せるのにそれは何故か上品でシニックで、世界を悪意塗れにして刻んでくるのに言葉は何故か優しいリリックで。間違いなくオンリーワンではあるエロゲ。俺は伽子実在説を採る。各章で衣装の替わる立ち絵の装飾過多も実に素晴らしい(ちょうど冬コミ原画家が資料集みたいの出してて、これも良かったぞ)。