清永賢二,清永奈穂 『犯罪者はどこに目をつけているか』

 路上での強盗や性犯罪、家への押し入りなんかの各状況について、凄腕の強盗の獄中日記や直接のインタビューなんかを通じて、どういうことをしていれば犯罪の対象になりにくいかが記されている。なんにせよ、この凄腕たちに一度目を付けられてしまえば、どんな家でも侵入出来ないことはないらしいので、まあ読んでてわりと絶望的な感じにはなる。それでもまあ、夜道を歩く時に気をつけなくちゃいけない距離感とかも分かるし、住宅街見ながら「あいつらの身体能力ならここに足をかけて登れるんだろうなあ」とか思うようにもなる。あと、出てくる強盗が猿の義ちゃんだの忍びの弥三郎だのいう名前で語り、内容もなんだかそんな押し入り強盗だのなんだのなんだか数十年前の話みたいで、ちょっと古い本を読んでる気持ちにもなるのに、急に最近の条例の話とか出てきてなんか変な感じになるのと、まあ最近の犯罪で言えば、中国人窃盗団とかちょっとこれまでの犯罪とは規格が違うとかよく聞くので、その辺に言及がなかったのは残念。

犯罪者はどこに目をつけているか(新潮新書)

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