ぱれっと 『もしも明日が晴れならば』

 夏コミ再販版。家族同然に一緒に暮らしてきた幼馴染みが、恋人になった途端に急死してしまったけど、幽霊になって戻ってきた、という話。この幽霊、明穂が、まあいい女でな。いやまあ、去り際をわきまえたのをいい女と称するのもアレですけど、とにかく可愛い我が儘で主人公を振り回すその丁々発止と、大事なところでは幽霊としてそれを押し殺す諦めとの対照が、本当に比翼連理の片翼を引き裂かれるように切ない。他のヒロインも、なんだかやたら自罰的な女の子が多くて、それでも殺しきれずに罪悪感と一緒に漏れ出る感情が、明穂に赦され癒されていく。
 シナリオは大筋で見ると若干大味なところもあるけど、それ以上に、その場その場の会話の一言二言の切り返しが上手くて、それでクライマックスを盛り上げてTynwald musicのボーカル曲という飛び道具で綺麗に仕留めに来る。つよい。