谷崎潤一郎 『蓼食う虫』
浄瑠璃等の日本文化の詳細を事細かに描写しながら、グダグダの夫婦の離縁話を書く。その、人形芝居とかの日本文化の描写、それは当時の離婚に対する考え方も含めてだけど、その緻密な描写を読むか、あるいは作者の夫人譲渡事件とかに絡んで読まれたり、最晩年の『鍵』辺りに繋がる系譜があったり、女性を無闇に(というか人格を無視して)神聖視する意味ではマゾ側からコントロールする後の一連のSM小説に繋がったりなど、まあ作者を理解する上で読むなら、わりと意味があるかな、というところ。
- 作者: 谷崎潤一郎,小出楢重
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1985/09/17
- メディア: 文庫
- クリック: 1回
- この商品を含むブログ (4件) を見る