Leaf 『WHITE ALBUM2 -introductory chapter-』

 12年越しのナンバリングタイトル、2分割で販売の前編。うだるちんシナリオに根強いファンの多い往年の名作の名を引き継ぐのは、しばらくご無沙汰の丸戸史明
 前作好きとしては、独特の癖のあった雰囲気がだいぶ洗練されてとっつきやすくなってることに寂しさを覚えながらも、アレンジして再用されてる前作のBGMを聴くだけでもう心が揺れてしまうのです。当時のLeafを語る上で欠かせない飛び道具でしたからね、音楽。特にホワルバは。そんなわけで俺なんかは『あの頃のように』とか『FILL YOU』とか聴いてるだけで大概幸せになれてしまうわけですが、中身もちゃんとホワルバやってて良かったですよ。主人公たちの年齢を一回り下げてるせいで、前作ほど体使ってドロドロしてるわけではないですけど、どうしようもない感じはちゃんとホワルバ。序盤部分を丁寧に丁寧に書いていて、分割作品のイントロというだけでなく、これだけでもミドルプライスの1作としてちゃんと物語になってます。
 丸戸好きとしては、この分割商法ってのが、戯画ラインの『Ripple』あおいに始まるいわゆる裏ヒロインの、隠された裏設定、過去部分を前に持ってきてることになるわけで、あとは後編ではいつもの丸戸をやってもらうだけで、いつもの白々しいくらいの"建前/本音の言葉遊び"を散々楽しめるんだろうと思うと楽しみですな。もう一段隠し球があるのかもしれないけど。

WHITE ALBUM2 -introductory chapter-

WHITE ALBUM2 -introductory chapter-