小泉信三 『読書論』

 著者は慶応の塾長などを務めた経済学者。主に漱石、鴎外、ゲーテショーペンハウアー、そして勿論福澤諭吉の言葉を多く引用して、色々の読書に関するスタンスを論ずる。なんつうか、床に寝っ転がって適当に本を読んでるような俺に「漱石はこういう読み方をしました、対して鴎外はこうこうこうで、」なんて偉人を次々引っ張ってこられてもなあ、みたいなところはあるんだけど、まあ姿勢を学ぶことは悪いことじゃない。低処高思。
 そういう意味では、本に対する書き込み等の実用書でありながら、本に対する人間という側面をクローズアップしたとも言えるか。本との格闘。

読書論 (岩波新書)

読書論 (岩波新書)