桜庭一樹 『ブルースカイ』

桜庭一樹の、地方都市シリーズの一つに数えられることもある一作。そこで書かれる「少女」と「都市」は概念へと昇華され、桜庭一樹が少女と都市に象徴させる本質が(特に第二部で)更に抽象的存在として描かれる。で、それが第一部から第三部まで大事な部分を共有して繋がっていって、最終的にはやはり現代日本の地方の少女でその具体的な問題提示と「少女」への愛情に満ちた肯定で締められる。何冊目かの桜庭一樹として読むならより一層面白い本じゃないかな。

ブルースカイ (ハヤカワ文庫 JA)

ブルースカイ (ハヤカワ文庫 JA)