嘘にはならない日。

えっと、こっから先はcmizunaさんが糞まみれで死ぬ話なので、ウンコ、cmizuna、攻殻機動隊エヴァンゲリオンの中に一つでも嫌いなものがある人は読むのやめた方が良いですよ。あと、普通にお酒で他人に迷惑をおかけした話ですので。終盤はウンコの話しかしねえし。

ここ半年間くらいかけてた実験が一昨日終わったんですよ。特にここ2ヶ月くらいは、学校行かなかった平日が多分片手で足りるくらいに実験してたんですね。忙しさが熱中度を表してるかどうかに関する齟齬みたいなのは前回のmixi日記にもある話ですが、それはおいといて。んで、俺はここ2週間くらい、睡眠時間が普通に3〜4.5時間くらいをキープできるようになってたんです。無理する感覚とかはなかったんですけど、実際はそんなに眠れてなかったみたいでですね、28日なんかはコンピュータの数値計算で静磁場中の電子の飛跡をシミュレーションするプログラムを組んだあとに寝たんですけど、起きた時に、確かにそこは俺の部屋で寝てる場所も床についた場所と同じなんだけど部屋中のあらゆるものからそれまでシミュレーションしてた赤い粒子がくるくる周りながら出てる、みたいな世界が見えて「違う! この世界じゃない!」とか言いながら飛び起きたら今度はいつもの俺の部屋、みたいなことがあったりね。まあとにかく、30日に解析担当の人が数値で最終実験の結果を出して、それを受け取った俺が考察と称してまとめて31日に発表するわけです。ちょっと俺が時間的にギリギリですけど、でもまあ1週間前の中間発表からデータポイントが1つ増えるだけだからそんなに全体のストーリーは変わらんだろう、という感じでした。その中間発表時点で真空中のp-Ps(ってのがあるんです)の寿命(生命を弄ぶ実験です。神をも恐れぬ蛮行!)が168psくらいだろう、っていう話でした。psってのはピコ秒だから、1psは 0.のあとに0を7億と11個並べたあとに1を付けて、やっぱり余計だからさっきの0の内7億個を消したらできるくらいの小さい時間です。ちなみに消したその7億個の0はお前に消された怨念を持ったままイナゴに生まれ変わってお前んちの畑を襲いにいきます。トマトだってお陀仏だ! 何の話でしたっけ。そう、168psだ。理論から計算したのが125psだから、まあオーダーはあってますけど(\alphaと\hbarによる摂動の正当性? 何それ?)、まあだいぶズレてるね(3.3σ)、どうしてだろう、寿命が長くなるファクターってあんまりないしね、ということで考察の書き甲斐がある感じだったんです。
で、月曜か。なんか解析担当の人に、途中の解析方法を変えたという話はちょくちょくされてたんですけど、行って驚いたねー。それまでの実験結果も含めて全然変わってて、とりあえず持ってってたexcelのマクロにそのデータを突っ込んでみると134±46ps。しかもこの誤差がほとんど系統誤差ってので、そもそも実験の手際が悪かったからついてるので沢山データを取っても減りませんよバーカっていうやつなんですよ。全体のストーリーが全然違うし、そもそも実験が悪かったもので考察がどうにか出来るもんではないから「系統誤差は広大だわ……」(攻殻機動隊の出番はここだけです)とか呟くしかないのですよ。それでもまあ持ち帰って、一旦軽く寝てから日付変わる手前に起き出して、気合いを入れるために久々にパンツを穿いて、発表資料を作り直すわけです。「系統誤差って言うけど、もしも、もしもだよ、統計誤差みたいに各データで独立に処理できるとしたら、どうかな? ほら、少なくともfittingはしやすくなるみたいだし。いやいやいや、一様静磁場と見るスキーム自体に問題があって全体が高く出るのはわかってるんだよ、でもね、でも、仮にね、一旦だよ、一旦、やってみただけだけど、さあ」みたいな無駄な足掻きも(これがどのくらい無駄な努力かはそこいらの物理屋に訊いてね)して全体の体裁を整えて作り終えたのが当日の朝6時、そっから、実際の発表時に読む用の原稿を作り終わったのが午前11時、学校に行って眠眠打破を飲んでから解析担当の人に「昨日もらった図さ、多分俺がもらおうとしたやつと違うよね」なんて確認を取ってもっかい発表資料を作り直して12時です。そこで担当の教員が来たのでリハーサルをやったらボコボコ、発表まであと1時間なのに直したり全体の要約を書いたり、あと発表用のノートPCがvistaでフォントがズレまくるのを直したりしなくちゃいけない。例の馬鹿が「ズレを直すだけなら直しとくよ」なんて言うから任せて要約の原案とかを手書きでさっと書いてPCに入れようとしたら、その馬鹿はいつも目の前のことだけに目を奪われているから任せた直後に解析の人がやってた面白いことの方に夢中、結局俺が自分で直したり、で15時。発表ですよ。担当の教員の他、隣で実験やってた同級生とか、院生の人とかがいるわけです。俺の考察は最後ですから他の人の話を聞いてるんですけど、まあこの時点で俺の膝がガクガク笑ってて、あと動悸が、速くなってるわけでもないのに全身に響くような鳴り方をしてるんですよ。あー、俺って緊張してるのか? それはそれで面白いな、と思ってるうちに俺のターンですよ。まあつつがなく。誰も聞いてない。俺自身も何喋ったかあんま覚えてない。
んで実験室を片付けて八時まで待ってから、教員主導で近くのお好み焼き屋で打ち上げですよ。ビール飲む人は飲んで、適当に物理の話をしながら飲み食いして、多分2.5時間くらいいたはずです。だいぶ落ち着いてきて、俺も、ああやっとこの半年間、特にこの2日間の荷が下りたというのと、あと、半年間この人たちに俺のブログを隠しきったというので(来年の卒業研究の班でも隠しきれるかな?)、安堵感に包まれるわけです。そして、最後にみんなでデザートを頼んだ辺りで、俺を急に便意を襲うわけですよ。あれえ、どうして俺こんなに急に便意が? まださっき頼んだソフトクリイム食べてないのに−。でもまあ、デザートが終わればもう何分もしないでお会計のち解散でしょうから。それはどうにかなるかな、と思ってソフトクリーム食べるんですよ。美味い。バニラは美味しい。さてあとは話の切れ目待ちかな、と思うんですけどまあ打線が繋がる繋がる。98年の横浜かってくらい繋がって終わらないんですよ。これは俺駄目かな、と思った瞬間かな、視界が暗くなって、右耳がなんか急に遠くなったんですよ。右に座ってるのは例の馬鹿だから別にいいか、とも思うんですけど、右耳ってのは昔から俺のスウィートスポットで、まあここの調子が悪いとだいたい本格的に調子が悪いんです。そこが完全に、高一の頃に鼓膜を破った時みたいな聞こえ方になってて、一方視界の方はどんどん暗くなっていくし、何より便意の方が差し迫っているんです。例の馬鹿に「ごめん、急に目眩が」って言って道を譲ってもらって、トイレに行こうと2歩歩き始めたところでcmizunaさんの脳の電池が切れます。
次に意識が起きたのは壁にぶつかった瞬間で、次に起きたのは床で寝ながら(右手に握った眼鏡の感覚はどうしてあんなに安心するものなのでしょう)、次に起きたのは長椅子に寝かされながらですよ。遠くで教員が「とりあえず会計を」とか言ってる声とか班員の「大丈夫?」とか言ってる声は聞こえますけど、そんなことより俺はウンコがしてえんですよ。いいですか、仮にここで俺が死にますね、それはいいですよ。ただここで死んで、いま締めている肛門括約筋が緩んだらどうですか、『おくりびと』を観て納棺師を志した人の初仕事がウンコまみれじゃトラウマになって志も断念するでしょうよ。えっと、冗談じゃなくてわりと本気でそんなこと考えてたので、だいぶ意識もはっきりしてきたので「とりあえずトイレ……」と言って店員に誘導してもらったら和式便所なんです。意識も朦朧、手足は痺れ、眼鏡がないから視界はぼやけていますが何はなくともまずはウンコ、急いで鍵もかけずに糞をひりますな。しばらくそりゃ時間もかかりますよ。で、外の班員から見たら、飲んでる最中に倒れた人が「トイレ……」って言ったら吐いてるに決まってると思うじゃないですか。しばらく出てこないしなんなら背中をさすってやろうくらいの気持ちでトイレのドアを開けますわ。そしたらドアに背を向けて「誰か! 誰かボクの尻にアンビリカブルケーブルを挿して!」っていう姿勢で尻穴をおっぴろげて糞をひっている俺ですよ(最低の場面で使いましたがエヴァンゲリオンの出番はここだけです。ゲリオンと下痢をかけなかったのは俺の良心)。もうお互いなかったことにしてそいつもドアを閉め直します。ガタンバタン。結構ウンコ出た。
ウンコが終わって和式便所にしゃがんでると(後ろからの心遣いはノックになりました)手足の痺れもなくなって「あ、俺って本当にウンコがしたくて倒れたんだ」と思うとまあ死にたくもなりますよ。ウンコが出終わったからもう未練なく死ねるし。死にたくなればなるほど笑えてくる俺としては「打ち上げでこれとは最後っ屁ならず最後ウンコですなしかも危うく最期ウンコでしたげらげらげら」なんですけど、そこはさすがに神妙な顔でどうもすいませんなんて言いながらトイレを出ると、まあ生暖かい視線が集まりますわ。飲んで倒れた、徹夜で倒れたなら心配されますが、ウンコですからなあ。平身低頭、七重の膝を八重に折りしながら、教員にタクシーで送ってもらってですよ。帰って寝ました。一応半徹夜のせいで倒れたと言うことになっているので、教員に「ゆっくり休んで」とか言われてね。
翌朝起きたら真っ先に教員にメールを送って、実験の班で使ってるBBSに生存報告を書かなければと念じながら寝て起きたら翌朝6:30なんです。あの、ゆっくり休んでって言った相手から6:30にメールが来たら今度はそっちを本格的に怒られるなあと思って寝直して午前11時に起きました。んで自分のgmailを見たら、自分の携帯から「はらわたドリームきなこちゃん! きなこちゃんの内蔵はきなこちゃんが信じているだけで本当はもうボロボロ! それに気付いていないきなこちゃんの思いこみだけで生きているんだ友達なんだ!」っていうメールが、昨日の発表終了後の打ち上げ待ちの時間に入ってるんです。こんなつまらんことを書いて自分に送ってしかも忘れてるって、その時点でもう結構駄目だよ……。ビールとか関係ないよ……。しかし、そんなに弱いつもりもなかったけど、半徹+生中1杯で俺って電池が切れちゃうもんなんだなー。今日の教訓? みんなもパンツを穿こう!