ゴールディング 『蠅の王』

15少年漂流記が狂気に取り憑かれるとどうなるか、みたいな作品。(人種差別がどうとか別にして)主人公の少年は自分をイギリス人、狩猟に取り憑かれて元の仲間だった者達を襲うようになった人を蛮人と呼んで区別したりして、それをメタファーとして社会の脆さみたいなのを寓話として書いてる。じゃあそのイギリス人って何、っていうとヨーロッパの社会契約論とかその辺りの話が絡んできて、個人的な感想としては、こういう極限状況で万人の万人に対する闘争状況に戻っていくのは仕方がないな、という感じ。そういう性悪的なところまで含めて人間ってものを肯定したいと思うんだよなー。

蝿の王 (集英社文庫 コ 1ー1)

蝿の王 (集英社文庫 コ 1ー1)