ティム・オブライエン 『ニュークリア・エイジ』

ベトナム戦争を書くことの多い作家。村上春樹訳。キューバ危機やベトナム戦争などのリアルにあった危機というか、その時代のクリティカルな空気に対して、神経症気味の男が真剣にコミットしていく様を描いた一代記。妄想に取り憑かれがちな男を通じて書かれているんだけど、それでいてまるで戯画化された感はなく、むしろ真剣に何度もミサイルを撃たれたりする危険が実際に見えてしまうというところで上手く時代を可視化している。5,6年くらい積んでた本だけど、読んでみたらわりと面白かった。

ニュークリア・エイジ〈上巻〉

ニュークリア・エイジ〈上巻〉