桜庭一樹 『赤×ピンク』

檻とかのかなり直喩的な舞台設定といい、格闘技によって身体性というか肉体を押し出した語り口といい、これは共感の物語なんだと思う。明確に意識されて直接書かれてる分だけこの本単体でストレートに受け取れる部分もあるだろうし、これに直接書かれているような言葉が、いずれ同じ作者の『砂糖菓子の〜』やらの地方都市シリーズとかで少女というものに押し込められていくんだろうな、という感じ。どっこい生きているというか、それに付随する各種の消化できない厄介事というか。
赤×ピンク (ファミ通文庫)