イプセン 『人形の家』

なんか女性解放とかそういう文脈で名前を聞いていた本だったので、あんまり面白さみたいなところを期待して読んでなかったし、主人公の女性ノラの世間知らずっぷりに腹は立つわ、中盤で追い詰められるノラの様子見て「スイーツざまあwww」くらいの気持ちで読んでたんだけど、第3幕、最後の最後15Pで、なんか俺の予想を大きく上回る勢いでノラ覚醒。この女性版ハイパー賢者タイムみたいな覚醒っぷりは突然文体を変えた訳の妙もあるんだろうけど、それをひいても最後の結論も個人的にはもっそい納得できるところ(まあでも、美貌をもって生きる、ってものの中に、過去のノラみたいな人生も種類としては存在しうるだろうに、とは思うかな)だったし、普通の戯曲として面白かった。なかなかどうして。
人形の家(新潮文庫)