神楽坂淳 『征服娘。』

中世欧州あたりをモデルにした仮想世界で、男性社会からのし上がろうという才覚ある貴族娘とその侍女が主人公。少女らしい描写が前面に押し出される中で、父親を「殺すわ」と言ってしまえるのは少女ゆえの残酷さなのか世間知らずがゆえなのか。巨大な野望に対して自分のとるべき手順がわかってる少女だけど、実際にはそういうとこまで決断できんのかな、っていうところが読みたかったのに、父親を殺すどころか庶民を実際に死なす場面にすらいかなかったのは残念。まあ文字通り前途洋洋というやつですね。
征服娘。 (スーパーダッシュ文庫)