泉鏡花 『夜叉ヶ池・天守物語』

そういや日本語には幽艶という言葉があったなあ、という感じの本。この言葉は泉鏡花を読むたびに思い出す。
戯曲の形で著された、妖怪が出てくる短編2つが収められている。妖怪の、世俗を上のレベルから見下した優雅な美しさ、というのかな。人間よりも人間的な美しさというのを逆説的に表現している。本当にため息の出るような、日本的な美しさ(これしか言ってないな)。

夜叉ヶ池・天守物語 (岩波文庫)