サガン 『ブラームスはお好き』

サガンは『悲しみよこんにちは』を前に読んで、主人公の少女特有の若い感性と、文全体に漂わせる淫蕩な雰囲気が物凄く印象的だったんだけど、この『ブラームスはお好き』では女主人公が三十九歳とだいぶいっていて(フランスでは若い女の範疇、だそうな)、その年齢だからこその複雑な恋愛心理とその結末が静かに描かれていて、これはこれでという感じ。

ブラームスはお好き (新潮文庫)