村上春樹 『走ることについて語るときに僕の語ること』

まあ、村上春樹という個人に興味がある人向けの本ですわな。彼の趣味というかライフの1部である、走ることについて語ることで、今回はわりと彼個人の中身が描かれていて、村上春樹好きにはたまらない感じ。

翻訳夜話とかその他でも思うんだけど、彼が自分自身の得意なものを語るときの微妙な距離、自分はこうしてるんだけどね、というように、あくまで彼内部のものとして当然押し付けたりもしない、その底にどこか漂っている孤独感というのかニヒリズムというのか。その微妙な温度が、氏の長編小説と同様にボクをひきつけてやまないのです。

走ることについて語るときに僕の語ること