原田宇陀児 『新興宗教オモイデ教外伝 1』

うだるちん。ちなみに元ネタは読んでない。元ネタは読んでない、けど、元ネタを読んだ人が期待して買ったら阿鼻叫喚だろうなあというのが第一印象。どっちかってーと、元ネタは『オモイデ教』より『雫』なんだろと思う。ダッシュの使い方やら変なルビやら当て字やらもビジュアルノベルっぽいし。その点ロミオなんかは3行ウインドウみたいな短文が基調でテンポが良かったと思う。


そもホワルバってのは確か、やたら日常会話のテキスト量が多くて*1世界観が相当しっかりしてるのと、あと基本的には主人公が浮気を正当化する、っていう独白をメインに置いているから、ストーリー展開より内面描写が多くても気にならないんだと思うんだけど、今回はSFにグロテスクを混ぜてるからなのかな、うだるちんの細いってか繊細かつ重厚に編まれた文体がそんなに生きてこないし、主人公の、行動の正当化っていう形での独白がやたら多くて鼻につくというか。独白しなきゃ納得させられないような行動ばっかとらすな、という感じ。


んー、何だかんだいって信者視点ではそこそこ楽しめてるんだけどさ。凛のオルガンは大好きだし。もう少し読みやすく、ってのも違うんだろうな、ある意味うだるちんの魅力はそこにあるわけだし。読者ほっぽりだしてナンボですわ。とりあえず続刊が出そうなので、サウスベリィでも読み返しながら待ちますかね。

新興宗教オモイデ教外伝 1 (1) (ガガガ文庫)

*1:システムがアレなので普通にプレイしてたら殆ど出てこないけど