田中ロミオ 『人類は衰退しました』

発売週に買って積んであったやつ。読む気になればあっという間なんだけどなあ。


空気系のラノベ。闘争の概念がない「妖精さん」との交流の物語で、おとぎ話的なのんびりした雰囲気で流れていく。
まあ家計を書いたライターだから続編がどうなるかわからないし、そののんびりした雰囲気ってのは結局、逆の意味での退廃的なものだったりするんだろうけど。
とにかく。エロゲの3行ウインドウ的なテンポだとか、セリフの言葉選びだとかにロミオ節が脈々と通じていて、信者としてはかなり心地よい感じです。満足。


隠喩とか元ネタまで考え出すと、読み方としては色々あるでしょうなあ。個人的には子供の頃に母親に勧められて読んだ、佐藤さとるさんの『コロボックル物語』は当然思い出されるし。
んで読みながら漠然と思った、というか、こんなんだったら嫌だなあと思ったのが「妖精さん=ネット民あるいはオタク」とか。刹那的なところとか集合離散なところとか、それら同士のコミュニケーションを覗いても他者からは情報を得にくいところとか。んで一次クリエイターとしての発言力を持つロミオさんが、破裂音を出して強制的に一時ストップをかけたり失禁させたりとか。そら女神像も作りますよロミオ信者だものとか。そんな感じに見られてたら嫌だなあと今日もボクは妄想貴族。

人類は衰退しました (ガガガ文庫)