L.V.アールフォルス 『複素解析』

まだ途中だけど、多分俺の今の力ではこれ以上読み進めるのは無理。というわけでここまでのレビュー。


函数論の本。このあたりは本当に物理でガシガシ使うので結構真剣に読んだよ。というか、図書館で借りて読むはずが、惚れ込みすぎて結局自分で買った。かなり大好きな本。
構成としては、複素数の導入からコーシーの積分公式、んで留数定理やらディリクレ問題やらを経て、楕円関数、最後に解析接続、というのが全体の流れ。だけど、コーシーの積分公式を導出するまでがちょっと冗長だと思うんだよね。ある意味そこから複素解析は始まるわけだし。数学書だから証明きっちりやろうとしてるのはわかるんだけど。その分、前提知識は殆ど無くても大丈夫。去年微積の授業に出ないで、コンパクトとかの話を一切聞かずに育った俺が言うんだから間違いない。

文章はかなりしっかり文章で書いてある。数式のみに頼らないで説明してるので、きちんと読めば実用レベルにはたどり着けるはず。ただ、文章が長くて、後からざっと読み返した時にどこが重要なのかわかりにくいので、参照用のメモを作るなり下線を引くなり、かなりアクティブな読み方をしないと駄目だと思う。
物理志望の学部生としてはちょっと詳しすぎるかな、という議論もかなりあるけど、そこはご愛嬌というか、まああんまり視野を狭く持つのもね。きちんと書き込まれてる分しっかり読めば面白いわけだし。ただ実用目的な人たちには他の本での演習が必須かと。

後半は、理解が及ばなかった自分が言うのもなんだけど、多分トポロジー辺りの話が絡んでくるのかな。自分はちょっと時間が足らんくなってきたので1回離れるけど、後で理解できるまで読みこむ。

値段は高いけど、真剣に使い込めば絶対にその対価は得られる本。外装の雰囲気もいいし。

複素解析

複素解析