そして悲しくうたふもの。


結局のところボクは北海道民なんです。うっかり手袋を履いてしまうのです。色がこすけてしまうのです。食器をうるかしておくのです。埃をほろうのです。こんな自己紹介をWordにつっこんだ日には赤破線で指摘された挙句イルカに「それは日本語じゃねえよこの田舎野郎」と言われてしまうのです。だってしょうがないじゃない18年も住んでたのよ。そりゃ新聞に北海道の名前が出るたびに真剣に読みますよ。竜巻に反応して「うーん…大雪山より向こうは正直ようわからんね」とか津波警報を見かけて注目してたら「……40cmて……どんくらい?」とかいちいち反応してたりするし俺のGoogle earthはほぼGoogle石狩支庁だし。ホームシックと呼びたいのならば呼べばいいじゃない。ボクだって北海道みたいに家の中で意味わかんないほどの暖房つけて「うわーうわー眼鏡が曇るよーうわーうわーアイス食べよー」とか言ってたいよ。最近正直授業中の教室が寒いよ。冷蔵庫のアイスが全然減らないよ。雪をかいては雪が降り朝起きたら毎日デジャ・ヴでノイローゼだけど湿度が高いから体感温度は意外と高いあの冬が別に恋しくはないけど初めての道外での冬だから戸惑い気味ですよ今更紅葉の時期っておかしいって。ホワイトじゃないクリスマスとかありえないもの。あと道新が懐かしい。学校の図書館には英字新聞はあるけど道新はないんだっての。あの毎日老人が転んで骨を折ったり財布を落としたり花を盗まれたりという夕刊3面はいはい道新が恋しいよう。読者の声欄が50代以上のみで構成されてる道新が大好きだ。「やっぱり京都のお蕎麦は上品な味がしますねーええーいや札幌のラーメンも有名ですけど結局田舎ですから味が濃くてかなわんですよ」とか言いながら本心は(ひひーん運動直後のボクのおでこみたいにあの無遠慮に脂ぎったしょっぱいラーメンが食いたいよぅヒヒーン)ですよ。「うーんスープカレー? あんなの北海道で流行る前に本州で出た日にはねこまんま扱いだよそうね味噌ラーメンなんかもそんな感じ?」とか言ってますけど本心は(地元の野菜あってこそだろウヒヒ馬鈴薯馬鈴薯)ですよ。ああ焼きそば弁当が食いたいガラナが飲みたいカツゲンが飲みたい。じゃがポックルじゃがポックル。というわけで年末年始には帰らないよ。ふるさとは 遠きにありて マゾヒズム