2009-12-28から1日間の記事一覧

谷崎潤一郎 『吉野葛・蘆刈』

中編2つ。どっちも導入部は紀行文の形をとりながら、その下地を古典文学に取って脇をがっしりと固めたあと、わりと突然に伝聞の形で小説の筋が始まる。谷崎関西移住後中期の作で、それぞれ舞台は、『吉野葛』は秋の吉野山、『蘆刈』が京都と大阪の間くらいに…