Liar-soft 『CANNONBALL 〜ねこねこマシン猛レース!〜』

 2003年作。スペースオペラな世界観でのレーシングを舞台にしたSF。アーサー王物語その他の題材をモチーフにしたキャラクターを引用してきて、ベタベタの演出を施すんだけど、そのベタベタさに実況その他の煽り方、レースという状況の疾走感が熱い。主人公とサブヒロインたちの性の奔放っさもお祭り感を煽る。メインのシナリオはほぼ同内容の2本なんだけど、途中の空き時間に脇役キャラとのイベントが見られてて、これの回収がやたら手間なくらいパターンがあるわけ。まあそれぞれ脇役がオッサンなり爺さんなり美少女だったり猫耳だったりするんだけど、どいつも濃くて魅力あって、そいつらが見切れないくらいの量のイベントが用意されてるっていうこと自体が世界観の分厚さを示しているわけですね。まあシステムが全然追いついてなくて、発売当時はそもそもインストールができないバグがあって阿鼻叫喚だった、それが後からパッチやらで直って一応プレイできるようになって、まあしかもこうやって中身が良いからめでたしめでたしみたいなことになってるけど、かなりバグは残っている。開こうとすると「Compile error!」って出てタイトルに戻されてプレイ時間1時間吹っ飛ぶバグがあって、調べてみると当時の2chのスレに「確かに開けないけど、PCが固まらずにタイトルに戻されるから助かる」っていうレスが見つかって「助かる????」ってなったりはする。レース部分もコマンド選択式なんだけど、そうやって脇のイベントを回収するのに何周もしてると完全に作業になる(「Pace up」以外の選択肢を選ぶことがほぼない)し、そのレース中に他のチームとサシで戦闘が入って、まあそれも時限コマンド選択なんだけど、これに関しては昔に誰かが試行錯誤した後を辿るしかないくらいの作業。これに関しては、当時の攻略サイトはほぼ潰れてるから、6年前の2chのスレでお勧めされてる12年前の攻略サイトインターネットアーカイブから掘り出してきて使うのが良いと思う。周回はctrlキーを使って、もう直前のメッセージを読まなくても状況だけでコマンド選べるレベルまで周回しないと、効率よくないと思う。まあそんなわけで、熱くて疾走感あって面白いけど、システム面での脇の甘さがその疾走感では誤魔化せないレベルではある勿体ないゲーム。