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  • とりあえず模試のぶんだけ予備校を申し込んできた。なんか試験に受かるためというより、前にガイダンスに来た時に、俺の独学が新年度に既習者クラスに入れるレベルなのか訊いたら、この模試の点数で目安を言われたので、この結果次第でクラス分けが決まるのだ、というとこに動機がある。
  • 申込、なんか色々システムは複雑に見えるけど、まあ受付で自分のしたいことを2回くらい主張して、ちゃんと話の通じる人に出てきてもらって、その人に手間をかけてもらうと、最終的なアウトプットは分かりやすく欲しいものが出てくる。全国チェーンなのにその手順を踏む意味はあんま分からんが。しかし、世の中の色んなことは大体こんなもんだよな。これがゴネ得システムになっちゃうと中々つらいもんだが。

 近くの大学の同級生と話してきた。結構俺と近い分野だし修士の頃からかなり研究熱心で、まあよく出来る人だったんだけど。まあそれが、4年くらい前のアメリカ出張に一緒に行った時に色々酷い目に遭ったり、あとは色んなこと勉強してる人で、その時に俺があんまりちゃんと物理の受け答えが出来なかったせいで、あんまお互いしっくりこなくて、そのままその相手の人が留学しちゃったせいで、ちょっと疎遠になって、まあ年一くらいで会って物理の話をしては「ぐぬぬ……」と思わさせられる人だったんだけど。
 その人がまた日本に戻ってきてるってんで、向こうからメールが来たのです。
「日本にいます。議論をしませんか?」
「あ、俺、物理やめました」
「えぇ……」
「まあ普通にご飯行くとかなら全然ありなので」
「じゃあそれで」
そんでまあ、俺がちょっとだけそういう風に、まあ物理に関する苦手意識を持ってる人じゃん、しかも相手は物理大好きで、数年間自分の意志で留学してた人だよ。こっちは「いやあ……俺が物理やめて海外に行かなくて済むことになったことを祝すかのように、今期のアニメはおもしろいものばかりだなあ……」とか言いながら『アイドルマスター シンデレラガールズ』を毎週3回ずつ見返しているというのに。そんでまあ、俺もういきなり物理やめちゃって、ある意味ではその人が好きなものや生き方を俺は全否定しているわけで、飯食うとか言っても、和やかに楽しく話せるか、俺の側でちょっと自信が無くて。どのくらい自信が無いかというと、向こうが京都に来ようと言ってるところに、(まあ……俺の側が交通費と時間をかけて出向いておけば、話があんま楽しくない結果になっても、ある程度は許されることになるだろう……)という思惑で「俺が大阪の方に行きますよ」なんて言ってるくらいですからね。
 普通に楽しく話せて。近況やらお互いの次の職やら(なるほどねえ、という感じである)、あとは意外と物理の話をして。しかも俺が自分の研究してたことでもう忘れちゃってたことに深く訊かれて、まあこれまでだったら俺は自分の不理解に「むきー!」ってなり相手はその俺程度のいい加減な理解で素敵な人たちと一緒に論文を書いてることに「むきー!」ってなりそうな場面だったけど、まあ梅田の駅ビルで抹茶パフェをつつきながら、非くりこみ定理がどうこうと普通に喋って、まあ「こういうことかもね」「確かそんな話だった気もしてきた」とかいう結論に達して席を立ったのでした。
 まあこれが、俺がその人の出来具合に対するコンプレックスと、まあ向こうが俺の(分不相応な)研究業績に対する苛立ちを持ってて、それを俺が物理を降りたことでお互いちょっと和んだとか、そんな浅い理由のように見えるか、そうでもないと思うんだよなあ。どうかなあ、なんか物理やめてからは色んな同級生と話してて楽なんだけど、どっかに俺は自分のコンプレックスに由来する頑なさがあったのかしらん。普通はそういうコンプレックスは勉強の動機に活かすんだろうけど、全くそんなことはなかったし、むしろ色んな人と今楽しく話せるのが物理やめたせいなら、だったら全然物理やめて良かったとは思う。人と人との関係でありたい。