すみっこソフト 『はるまで、くるる。』

 わりと何を言ってもネタバレになりそうだけど。ド田舎の温泉宿に美少女4人と春休みを過ごしていたら、うち1人がここにハーレムの建国を宣言する、ことから始まる物語。というか、そっから連続するエロシーンがわりと食傷気味になって、そして開ける世界観SFなのである。わりと尺は短め。

 『Indigo』でも見られた"欠損"を書く上手さ、というか"欠損のある心身から見た当たり前の体感"を書く上手さだけど。そこで、エロゲでよくあるループものでは決してない螺旋構造ものを、スケールの大きさを損なわないまま短い尺にまとめることのできた勝因、かな。冬音とのことさえ忘れてしまう、と切り捨てられる"当たり前"を当たり前に書く、それを切なさとして見られるか。まあルート2つ目終わった辺りで、ヒロイン個人個人の狂気方向の欠損を期待しちゃうとややズレるけど。

はるまで、くるる。

はるまで、くるる。