ivory 『とらいあんぐるハート』

　今となっては「なのはって元ネタはエロゲなんだぜ」とかいうクソみたいな豆知識でしか参照されない(あとはI'veが主題歌とかあるけど)、90年代後半から00年代前半くらいにあった、都築真紀が原画脚本のシリーズ、第1作。98年作。フルボイスじゃなかったり、まあシナリオの短さ故の唐突さみたいのにさすがに時代は感じる(Keyや『月姫』の、立ち絵の表情で芝居をすればいいじゃん革命以前なので、ヒロインが普段とたいして変わらない顔のまま「あははははは」と大笑いをして怖い)ところに、この作家特有の癖の強い設定(蔡雅御剣流のニンジャとか。つかニンジャは国家資格として存在する)のなんというか、中二というか、好きなこと隠さずやってるぶんのナイーブさがあるので、ややキツいと言えばキツいんだけど、しかしヒロインが結構いるのにちゃんと立ってて、それがそこそこちゃんと可愛かったりするから侮れない。特に綺堂さくらとかいう娘がちょう可愛い。狼少女なんだよこの子。そういうのもいるんだよ。ミルヒ？ 知らない子ですね……。
　あと、この作家がたまにやるんだけど、エロシーンにかなり細かく選択肢が入ってくるのがよく分かんなかった。特にシナリオ終わってCG回収に既読スキップしながら攻略サイト見て選択肢を選んでいく時に、「えっと……愛撫愛撫愛撫脱がせる見る見る口で口で一休み髪をなでる最後まで抱きしめる感じさせる続けるそっとしておく中に出すかー」とかカチカチやってると、自分が何やってんのかよく分かんなくなる。何やってるって、正月からエロゲのCG差分回収をしてるんだけどさ。

とらいあんぐるハート123 DVD EDITION 初回特典版