サマーとスクールの間に「の」を入れたのは誰か問題

 コミケ2日目待機列からこんにちは。cmizunaさんです。えっと、この2週間で関東と京都を3往復ぐらいしてましてね。それで、3回目の間に2回目にあったことを書こうと思って。つか暇なんだね。
 えー、夏の学なんとか。夏/の/学/校/ですけども。行ってきたんですよ。D1にもなって。えー、趣旨を説明すると学生主導の合宿で、M1とM2くらいが中心になって、素粒子原子核と、あと実験ですかね、それをやってる学生を全国から集めて、で1週間くらいどこぞの保養地に詰め込んで、授業を受けたり小さい研究発表をしたりするのです。嘘。ほんとは毎晩飲み会しかやってない。大概の大学だと進学してこの業界に残ったりしないから、もう非常に後腐れのない飲み会でしかない。まあ、取り敢えずそれに行こうと。きっかけはなんか、今回うちの大学がそれのある部分の担当校で、なんか受けた授業の講義録を作成したり、その研究会の司会をやったりしなくちゃいけなかったんです。そんなわけで、うちの学生はみんな集合と。まあ俺も授業受けたり、あとはその夏のなんとかで去年会った人との、関係のメンテナンスみたいなことしておこうと思って。そんでそれ、行ってきました。
 まあ、今更D1がそんなとこ行ったって、たいして楽しくないわけ。自分の研究発表するわけでもないし。まあ、そもそも俺の態度が「後輩が楽しければそれでいいよ」(これ読んでる後輩がいたら「あれで!?」って思うだろうけど)(つか、うちの大学の後輩連中に、わりと取り返しのつかないレベルでブログバレしてたというのも今回知った)(3週間連続で君らの悪口を書き続けて追い払おう作戦)って感じで、5回あった飲み会で飲んだのは1回だけだったのもあるし、つか俺らの同級生とかはそもそも来ない。D1にもなってそういう飲み会に来ようというようなコミュニケーション強者に俺は用はないのだ。そんなこと言ってて「つまんねえ」とか言うの、超かっこ悪くない? そうなんですよ。少年ジャンプに悪口を言う大人みたいなもんで、楽しくないのは、もう物理イベントとしての対象年齢から外れてるだけで、別に夏の学なんとかが悪いわけでもないし、俺が悪いわけでもない。俺は悪くない。つまらないものはつまらないでしょうがない。
 それにしたって1日目の授業の時の空調の効き過ぎったらなくてさ。いいかい、京都を朝8時に出て富士吉田の合宿所まで行ったのが15時だ。もちろん夕食を一人で食べて開会式の会場に早めに行って、一瞬目を閉じたら、びっくりすることに開会式が終わってそのまま授業が始まる寸前で、しかもその冷房が効きすぎだとおっしゃる。びっくりするくらい鼻水が出てさ。俺は死ぬんだと思って。途中でホテルの人に鼻炎薬をもらってからはもううんざりなんです。その後の飲み会も顔だけ出しましたけど、薬飲んでるから酒も飲めず、端っこの方で1人ぷるぷるしてる役でしたね。その夜はちゃんと部屋で寝れたのかな。
 2日目。午後からポスター発表があって。掲示板みたいのにポスターを20枚くらい並べて、で、興味あるポスターの前に行くとそれを書いた人が内容を説明してくれる、みたいなやつ。「このポスター、水に濡らすとこの女の子の服が脱げるんですよ!」とか。それはTECH GIANの付録にでも付けてろよ。まあそこにも俺は出してないんだけど、後輩とか同級生とかがちょくちょく出してたので、それはちょっと楽しみなんです。特に、3人いるうちのM2のうちで、論文が出たり出そうだったりする(その点、論文とウンコは似ている……)(似てない)2人は大体なにやってるのか知ってたんですけど、もう1人のやつ、こいつがまあ俺が飲み会で吐いた時に片付けてくれた人に贈られるゲロ片付けポイントとか、俺が研究所の鍵をインロックした時に鍵を開けてくれた人に贈られる鍵開けポイントとかを貯めてる(どちらも2ptずつ持っています)(貯めるとcmizunaさんトレーディングカードが貰えます)(レアカードは嘔吐してる俺の写真と、インロックして困っている俺の写真です)(それはさんざ見たな……)人なので、ちょっと研究の始動が遅れてるのが気になってて。修論締切日にダガーナイフ持って「てめえのゲロ片付けんのに忙しくて間に合わなかったやんか!」とか言われても困るし。まあそれが一応、既存の研究のレビューとは言え一応発表するっていうから、楽しみだったんですけど。そんで、それとは別の後輩に1人、なんか作務衣着てポスター発表するやつがいてな。聞くと、京都からも作務衣で電車乗って来たらしいんだ。そのボケ、潰してやろうと思って。俺もなぜか持って来てた、こないだ卸した浴衣を着て、その前で発表聞いてやろうと思って。作務衣と浴衣だったら、帯巻いてる分だけ浴衣の方が面白いだろ。いや、普通は区別はつかないらしいよ。そうねえ、そしたらまあ、みんな発表、面白くて。「ふうん……」って感じ。ふうんて。
 夜は学生の研究発表か。これの後半部分の司会をやりましてね。で、物理のこういうやつの司会って、時間調整の意味もあるんだけど、質問を募った時に質問が出ないと、司会が一つ二つひねり出して質問しないといけないのね。その司会を担当するとこの発表内容が自分の知らない分野だともうこれが最悪なんだけど、まあ今回は半分くらいはどうにかなりそうな内容だったのね。4人のうち1人は知り合いだったし。まあそれが、時間は守らねえわなかなか質問が出ねえわで、まあ普通に面倒でしたね。その後の飲み会は大概なことになりましてね。順番に後輩を呼んで迷惑をかけるお仕事。なんか面白い遊びを思いついたはずなんですけど、「一夫多妻ゲーム」って響き以外、ルールとかは覚えてないです。吐いてはないので誰もポイントは溜まってないはずですが、なんというか、残念な先輩ですね。そんで1時ごろに部屋に戻ったら、そこが飲んだくれの溜まり場になってて。ここの部屋の住人でもないやつが部屋の中でゲロを吐くだの吐かないだのという話になってるのね。すごいなーと思って。そっからなんかテンションが下がって、もうこの夏の学なんとかは楽しくなくなりましたね。
 3日目ってなんでしたっけ、この日がもう遠足? 午前は授業で、午後から行きました。青木ヶ原樹海。樹海はなんか、おじいちゃんおばあちゃんガイドがやたら、生えてる植物について、アカマツと五葉松の見分け方とか、アセビの名前の由来とかを教えてくれて。面白くなくはないし、まあそういうことを説明したいのはわかるけど、なんか、樹海に観光に来る人が求めてることとは違わね? と思った。マーケティングで顧客の要望を的確に見抜いて答えないと、日本の家電メーカーみたいな潰れ方をするらしいですよ? 例えばさ、車で樹海に向かって行くと、入り口のだいぶ近くまでコンビニがちょくちょくあったりするんだけど、その看板も、京都の景観条例みたいな感じでだんだん奥に行くに従ってモノクロになっていく、とかしたら、ちょっと気分が盛り上がって面白くなるわけじゃないですか。あと、そのおばあちゃんガイド、やたらアカマツについて説明してくれて。特に何度も「(土壌とかの関係で)ここのアカマツは400年までしか生きられないんです! みんな400年で死んでしまう!」っていうのを訴えかけてくるのが、「さてはこのおばあちゃん、人間の姿をとったアカマツの妖精だな?」って思った。若い時の友達はみんな枯れてしまったんだと思う。この日は飲まないで23時ごろに部屋で寝てたら、原子核のM1どもにすごい邪魔そうにされて「俺も早くノーベル賞とって偉くなって、こいつら干そう」って思いました。また核論か。
 4日目以降は特に何もなく。あの、授業も弦理論の話は終わって現象論とかくりこみ群の話で、そこまで興味津々でもなく、まあ授業は受けてますけど。それだけですねー。飲み会の時間は空き教室で論文読んでましたし。これが、昼間は百人単位で入る教室に一人でiPadで論文読んでて、鼻くそほじってたら鼻血が出てきて「あわわ」って言いながら、慌てて持ってたウェットティッシュで拭いたら鼻の粘膜に沁みる沁みる、っていうくらいの一人っぷりでしたね。そう、その部屋に一台ピアノがあって、たまにそれを弾きに来る人がいるのは面白かったですね。知らんやつが弾くScott Joplin系のやつとか、あと同級生が実はちょっと弾けたりとか。そう、この人、明らかに俺がいなくなってからピアノの練習したがってたっぽいのを俺が3時くらいまで粘ってて、なんか申し訳ないと思ったのだった。
 その一環として、3月くらいに出た、同級生の論文を初めて読んだんだ。まあそれこそあちこちの研究会とかで聞いてはいたんだけど。それが、前半部分は俺の論文をかなり引用してて。で、初めて話を聞いた時に、「ちょっとこれはもう一仕事出来そうだけど、やってみる?」なんて声をかけてたのね。で論文を初めて読んだから、どの辺が問題になりそうか書き出してその同級生に見せてみたら、わりと好感触で。なんか、仕事が1つ始まるかもなーという感じ。なんつうのかな、物理としてそんなに面白い話ではないんだろうけど、あれですよ、この仕事がもし論文になったら、acknowledgementのところに「このお仕事は夏の学なんとかの最中に進められました。そのホスピタリティに感謝します」なんて、ちょっとした研究会面をした文章が書けるわけで、そのM1どものただの飲み会と化してる夏の学なんとかですけど、それを書けるのって俺としてはかなりクールなことなんだけどな、というのが1つと、あと、扱ってる模型が昔ちょっと色んな因縁があった話で、それを、うちの研究所の学生と、その同級生の研究室の学生が協力してやるっていうのが、なんかちょっといいことのような気がする、という、まあ物理とは関係ない部分で俺としてはわりと乗り気だったりするのです。で、持ち帰って、世話になってる教員に「こんな話をやってみようと思ってるんですよー」なんて言ったら、「……面白くなさそう」とか言われましてね。この人、よっぽどのことがないとそう言うこと言わないんですけど。なんか、うん。さっとやってさっと終わらせよう。