-120716

  • べっかーべっかー
    • なんだかんだで計算全く読まない流し読みを続けていて、今のペースだとあと10日くらいで最後まで目を通し終わるのだ。新しい網羅的な教科書というのは、目を通すだけで常識が拾えるのでとても有難い。
  • 論文読み
    • ねくらそふ分配関数の元のやつを読んだり、あとはLFT関係で2本くらい読んだり。LFTのやつは縮退表現にしてあれをあれすれば一段落というのが見えてるんだけど、まあ手つかず。
  • topological string
    • やろうとしてる本が大部過ぎるのか俺が嫌われているのか、ゼミのメンバーがとんと集まらず困ったので、後輩と相談して違うもっと薄いレビューにすることに。頁数的には1/11になるのだ。これも手つかず。そんなことを言ってる間に、また論文読みの方で「ここはtopological stringの計算結果を用いると」なんて記述を読む羽目になってる。

 浴衣買ったんですよ。帯とか腰紐とか信玄袋とか、全部合わせて\12kくらいでしたかね。そんなにしないんですよ。一応、京都にある安めのも扱っている庶民的な呉服屋さん、みたいなところに行って「一式欲しいんですけど?」なんて揃えたんですけど。いや、それもなんか、「あとはTシャツとステテコとかそういう、中に着る下着を自分で上下揃えて下さい」「はあ。ここにはそういう専門のは売ってないんですか」「あるけど高いから。どっか適当なスーパーとか行って」とか舐められた話になって、「あー、スーパーで服買う人ってどんな人だと思ってたけど、俺みたいな人かー」とかぼやきながら、オッサンの買うような白シャツを買ったりとかはしてるけどね。「帯の締め方は、まあ最近の方はパソコンで動画とか見ておやりになったらよろしいですよ」「はあ」なんつってさ。実際そうしたけど。ちなみに、着姿はcmizunaさんトレーディングカード第二弾に収録される予定です。
 で、その浴衣を卸したのが今日、研究室の学生みんなで祇園祭宵山に行こう、みたいな話があったからなんですねえ。あのねえ、去年も行ったからもういいと言えばいい。だけどなんか知らんけど、後輩の一人がやたら張り切っちゃって、めんどくさいことこの上ないんだ。去年、一昨年くらいまでだと、まあ日程が平日だったってのもあるんだろうけど、先輩が当日に研究室にいる人にふらっと「行くけど行く?」っていう程度の気軽さで誘ってくれたから、受けるのも断るのも気楽だったんだけど、その先輩が卒業しちゃって、でまあ今年はこの後輩に仕切らせると、めんどくさいんだこれが。1週間くらい前から「14日の土曜日に祇園祭行きましょう!」なんて言ってくるし、それを「まあ、その時間に起きてたらね」なんて受け流そうとすると、「夕方ですよ! 起きてて下さい!」なんて言うわけ。うっさい。俺は特にこの初夏を「昼間は暑いから出来るだけ寝飛ばす」っていう方針で昼夜逆転させてるのに、それを何の権限があって俺の睡眠時間を制限しようとするんだ、俺に月20万をくれる研究専念義務おじさん(科なんとか費の不正使用の兆候を見つけると斧を持って追いかけてくる)でもそんなにめんどくさいこと言わねえよ。それがわりとかなりイラッときて。しかもその断りにくいめんどくさいノリのまま、俺よりも更に先輩の人とか、なんなら学生通り越してポスドクにまで声かけていくわけ。挙句の果てにはみんなの日程調整までし始めて、「元々土曜日に行くお約束でしたが、みんなの予定が合わないから月曜になりました!」とか言ってくんの。ほんとうっさいと思って。そんな約束は、そもそも無いの。
 そんでさ、昔から俺は、そういうめんどくさい人に対しては、更に掛け金を上げてふっかけていくことにしてるのね。そうすると大体更にめんどくささが泥沼になるんだけど。今回は、そのうっさい後輩より更にやる気満々のふりしてやろうと思って。相手がドン引いたら勝ち。そういうわけで、浴衣を一式揃えたんです。プラチナめんどくさい。まあそういうわけで、大して別に自分が浴衣を着たいとかはないです。浴衣かファラリスの雄牛かどっちか着ろって言われたら、まあ浴衣を選ぶとは思いますけど。暑いしな。プラチナ肉おむすび(プラチナで出来た肉おむすび)。
 まあそんな経緯を誰にも話すことなく、突然当日の昼過ぎに浴衣着て学校行くと、まあみんな爆笑だよね。「やる気満々じゃん!」とか言われて。ほんとはまあ、生まれてこの方、やる気なんてものが俺にあった験しがないよ。ところがどっこい、そのめんどくさい後輩だけは大絶賛してくるわけ。「僕もそんな恰好してみたいんですよ!」あれ? 俺がふっかけたやつに、ナチュラルについてきやがった。どんだけ楽しみにしてんだよ。もうこの時点で俺の負けね。


 結局祭りに行ったのは、俺とその後輩と含めて6人くらいかな。まず、大学を出て1kmくらい歩いた先の駅から祇園まで電車で行くんですけど。なんかねえ、その後輩はずんずん先に進んでいくんだ。俺、下駄じゃん。からんころんと歩いたところで、大して速度なんか出ないよ。その時点でもう、6人の集団が4+2くらいに分かれちゃってんの。勿論俺は後ろの2の方。そんなの、追っかける気もしないじゃんね。俺はむしろ帰りたいもん。なんかなーと思って。例えばさ、これ俺が、小太りブサイクエロゲオタク下駄じゃなくて、ヒール履いてきた彼女だったら、この速度で歩く男は捨てて帰っても完全無罪だよね。なんならヒールの先で眼球をえぐっても無罪だよ。だから帰りたい。
 それでも合流して祭り会場に行くと、まあ人がいっぱいなわけ。夏コミの臭いがした(季語)。大して山鉾なんか見ないで生焼けの粉ものなんか買い食いしてるうちにはぐれて、いつの間にか俺とその後輩を含めた4人になってるわけ。そしてこの後輩が、まあ大した健脚でいらっしゃるんだよ。祇園祭、結構広範囲に山鉾が分散しておいてあって、まあそれを粗方見て回るだけで相当大変なんだけど、それを休み無しにすたすたすたすた歩いて行くんだ。しかもだよ、なんか知らんけど去年と全く同じルートを通るんだ。まあ効率よく一筆書きで見て回ろうと思ったら大体似たルートになるのは分かるけど、こいつも去年来てるはずなのに同じの見て同じのを見逃して、それでなんで満足してるのか全然分かんない。今年入ってきた方のもう1人の後輩と喋りながら歩いてたんだけど、その後輩に「ここ真っ直ぐ行ったら蟷螂鉾ってのがあって、上にカマキリのフィギュアが乗ってて、しかもそれ動く」ってレベルでネタバレしたら、実際その通りになってる感じ。
 そんなんを下駄で歩いてたらほんとに疲れちゃって、更にその上から俺は足を蚊に刺されてる。しかもそうこうしてる内に俺はトイレに行きたくなってるんだ。「もう無理だ」と思って、なんとか鉾の前のガードレールに座り込んで、もう動けなくなってるの。そしたらいい加減にクソ童貞こと後輩も「大丈夫ですか?」とか訊いてくる。「帰りたい」って言うと、なんか持ってる山鉾配置図と睨めっこした末に「ここをこう抜けて三条の駅から帰るか、頑張れるならここをこう戻ってきて、また四条の方から帰りましょう。どっちがいいですか」とか寝ぼけたことを言ってるんだ。残念だけど、ここは「俺の疲労と尿意を察して、どっか座れる席のあるお店に入って休む」以外の選択肢は全部間違いなんだよね。だからそんなの「どっちでもいい」って返すしかないんだね。ちなみに俺の尿意に関してはほぼノーヒントで察しろって言ってますけど、でもまあそれって、相手が俺みたいな小太り眼鏡ブサイクエロゲオタクじゃなくて彼女だったら普通のことだからなあ。だから帰りたい。そしたらその後輩、なんか警備員の人に、どこそこの道路が交通規制になってたり一方通行になってたりしてないかを訊きに行っちゃってさ。なんだそれ。その行為に意味はあるのか? もう、この察しの悪さは一周回って面白いぞと思って。まあ軽く文句を呟きながら、その四条に戻る遠回りルートこと、去年と全く同じルートの続きを歩くわけだ。ほんと、これが何なのかさっぱり分からない。
 そんな察しの悪さを逆手にとって面白がるのなんか、5分が限界だよ。そっから先はただの愚痴を言う人だったからね、俺。「もう、察しが悪いのは分かったから、誰か正解の選択肢を教えてやってくれよ」なんつってさ。そしたらちょうどそこに大きい喫茶店が現れてだな。それすらもすたこら通り過ぎようとしてくのを、俺の隣で愚痴を聞いてくれてた方の後輩が必死に「ここ入りましょう!」って止めてくれてな。やっとのことで正解の選択肢を選ばされてるわけ。ちなみに、ここの喫茶店に入るのも去年やった通りのことなんだけど、そのクソ童貞、ほんとに全然気付いてないみたいなんだよね。これ、毎年記憶をリセットして毎年同じルートを歩くつもりじゃないだろうな……? 生前の行動を繰り返すゾンビかよ……。