スティーブンスン 『宝島』

 1700年代くらいを舞台にした、まあ有名な冒険小説。最初の書き出しが追想の型を取っているので、まあ「こいつとこいつは良い奴のまま生き残る」みたいな安心感はあるけど、それ以外の奴はわりと容赦なく死ぬ。そういう意味では程良いハラハラ感は楽しい。まあしかし何と言っても特徴は、最大の敵キャラ、シルヴァーさんね。ひたすらに利己的で舌先三寸、主人公の味方になろうとしてみたり、すぐさま裏切ろうとしてみたり。その身替わりの鮮やかさと豪胆さがすごくかっこいい。

宝島 (岩波文庫)

宝島 (岩波文庫)