片野修 『カワムツの夏』

 西日本と東アジアに分布する、全長10cm前後の川魚であるところのカワムツという魚についての、フィールドワークの記録。京都は北山、2年間にわたって、各年の繁殖期におけるカワムツの、個体ごとの行動追跡なんかがメインかな。実際に記録したのはもう30年くらい前で、しかも著者が一人で、主に目視でやった記録ということで、いまいち目に留まったものだけにストーリーを付けているようにも見えるけど。まあそれで個体個体に情が移るのか、それぞれに名前を付けて、個体ごとの「みんな違ってみんないい」みたいな話があったりして、門外漢からは何とも言えない気持ちになる。

カワムツの夏―ある雑魚の生態 (生態学ライブラリー)

カワムツの夏―ある雑魚の生態 (生態学ライブラリー)