唐辺葉介 『ドッペルゲンガーの恋人』

 死んだ恋人のクローンを作って記憶を移し替えた人の恋物語。『キラ☆キラ』にも通ずるような、死生観というか喪失感の問題。破滅的な状況を静かに描写する文体。風邪を引いている場面での、吹き飛んだような昂揚感。クローン元とは別の人間だからこそ別の幸せが見えるのだぜ。

ドッペルゲンガーの恋人 (星海社FICTIONS)

ドッペルゲンガーの恋人 (星海社FICTIONS)