110826-27

  • 計算
    • まあ手を動かすだけなんだけど、いまいちテンションが上がらない。なんか、何やっても間違ってるような気がしてならない。俺は一生こうやって、自分の計算を信用できないままなのかしらん、と思うと素で悲しくなってくる。体育座り。

 最近、俺の魔力が弱まってきてて。そういう芸風で行くの? あの、ほら、地球って、俺の魔力で回ってるじゃないですか。自転にしろ公転にしろ。俺がエロ画像を見て「生きる気力が湧いてきた……地球、回れ!」ってなった時の気合いだけで回ってるじゃないですか。俺が街中で、左手首にシュシュを付けてる女の子を見て「ちょうエロい……」って思った時の勢いだけで回ってるじゃないですか。それにしてもほんとシュシュってエロいよね、魔力とか関係なく。まあそれはそれとして、そう、俺の魔力が弱まってきてるからかなんなのか、あんまり地球の自転が上手く調整出来てないみたいで。なんか、俺の生活リズムに地球の自転が合わないんですよ。大体、14時頃に起きて、朝方に寝る感じ。だからもう、朝の6時頃とか、眠くてしょうがないわけ。シンデレラみたいなもんだよ。え、何が?
 そうこうしてたら、ある日突然、隣に住んでる大家さん(金髪美少女中学生じゃない方の大家さん)が、「土曜の朝8:30にお前の家の玄関に網戸を付ける」って言って来て。まあ、網戸を付けるってのは前々から言ってたことで、あの、アコーディオンカーテンみたいに開け閉めが出来る網戸を、玄関のドアの内側に付けておけば、ドアを開けたまま寝れたりして、通気が良くなって色々捗るだろ、と。そういう話らしいんですけど、実際そんなに要らないんですよね。まあ、大家さんが付けるっていうもの、断るわけにもいかないんですけど。「ああ、俺、ちんこ丸出しのまま歩いて行って、使い終わったオナホを洗ったりするんで、そういうの外から見えたら、たぶん困りますよね」とか言って軽やかに断れたらいいんでしょうが、なかなか。
 それで、土曜ですよ。朝8:00に学校から帰ってきて、家で待機するんだけど、もう眠くて眠くて。なんだかんだで9:00くらいにようやくチャイムが鳴って、工事のおじさん達が来たんだけど、なんか、俺の玄関を見てすげえ揉めてるの。なんか、想定してたのより玄関がよっぽど狭かったみたいで。「ここに付けたら、ここ当たるよな」なんつって、俺の玄関脇にある本棚をコツコツ金槌で叩くんだけど、あのね、その本棚ね、下手な揺らし方をすると、すげえ勢いでエロ同人誌が雪崩を起こすので、傍から見てるともう気が気でないんだよね。あと、知らない大人達が俺の部屋の中で真面目に揉めてるの、すげえ落ち着かない。まああんまり見ててもアレだから、雑誌を読んで「ここの雑誌、初めて買ってみたけど、推してるメインのアイテムが奇抜すぎて、合わせる他のもので宥めようとして白Tシャツとブラックデニムの登場頻度がヤバいことになってて面白い……」とか呟きながら、ちろちろと設置現場を見やったりしているわけ。あのね、眠いんだ。もう雑誌もどうでもいいし、金槌の音がガンガン頭に響いてヤバ気持ちいいし、あと工事のおじさんのうちの一人がすげえ甲高い笑い声をしている人で、わりと突然のタイミングで「キャハハハ」って聞こえてくるのが、もう眠くてぼんやりしてる頭の、ヤバいところに触れてくる。
 楽しいけど寝ないとヤバい感じの眠気になってきたとこで、工事音が止んで。終わったのかな? って見てみたところで丁度、工事のおじさんに「おにいさん、ちょっと」って声をかけられて。俺のことは「お嬢様」あるいは「美少女様」と呼べとあらかじめ念話で言ったろうに。まあそれで行ってみたら、設置が終わったよって話で。で、「こうやって網戸を出して、このレバーを下げると、鍵がかかります」って説明をしてくれたんだ。ふうん、これで鍵がかかってるんだーって思って、その状態で網戸をガッって引っ張ってみたら、バチッって音して、普通に網戸の鍵、開いちゃって。鍵、意味ないでやんの。その瞬間、「はぁっ!?」って俺、呟いたのに、全然工事のおじさんは気にしない様子で、「じゃ、これで設置、終了ですんで」っつって、帰っちゃってな。
 まあ結局、外側のドアにチェーンをかけたうえで何かを挟んで開けたままにしておいて、で、内側のその網戸を張る、みたいな風にして、一応使ってはいます。風、通ってるのかどうかしりませんけど、まあ普段こうしておくぶんには困らなさそう、といった感じですかね。透明ランナーはたまに通ってるのを見かける。じゃあ、オナホを使う時には、ドア、閉めるんで、その時は「ああ」って思っといて下さい。