110125

  • ぽるちん
    • 6章読了。まあこれまでずっと注意事項で「あれに気をつけろ」とかそんなばっかりだったので、計算が出来るようになったのはちょっと楽しいかもだね。

 メガネを買ったという話は前にしましたか。しましたね。もう誰も見てないから、俺が「した」って言えばそりゃしたでいいし、俺が自分の脱いだぱんつの染みに対して「ウンコじゃねえ!」って言ったらウンコを漏らしたことにはならないってことでいいんじゃねえの。で、そのメガネが出来たって言うんで引き取りに行きました。えー、午後の二時くらいに、寝てるところを眼鏡屋から電話がかかってきて、そっからのらりくらり風呂に入ったりなんだりしてたら、まあ引き取りにいけたのは5時前ですよね。まあ相変わらず慣れないお洒落な眼鏡屋に恐る恐る入っていくと、カウンターのところに、前来たときには見なかった、お洒落爺さんがいるんだ。「お洒落眼鏡屋さんのお洒落店長だ!」と思って。なんかね、前に来たときは店員が2人で、でもう1人の女の店員から、くん付けで呼ばれている、ちょっと下っ端っぽい、まあそれでもそこそこ経験も年齢もいってそうなおにーさんだったけど、その人に主に調整して貰ってたんだけど。で、レンズの調整の最終段階で、その女店員がおにーさん店員に「店長から」って言いながら携帯渡して、でその携帯でおにーさん店員が店長さんとしばらく喋ったあと「やっぱもっかい調整してきます」とか言って、更にレンズ変えられたんだ。「経験豊富な店長の助言で、やっぱり両眼間の度数は近い方がいいって言うんで」みたいな感じ。まあ別にそれまでのでも視力が各眼1.0、両眼で1.2くらいあって、あとは近視を下げて乱視を上げたりして疲労度(近視の度数が低いほど長時間使ってて楽)とのバランスの問題だけだったので、そうするならそうするで全然いいんだけど。いやまあしかし、電話一本で直接見てもいないのに指示が出来るものかねとその時は思ったんだけど。その店長さんですよ。まあカウンターに俺と向かい合って、最後の顔に合わせる調整をするんだけど、なんだろうな、なんとなく有無を言わせない雰囲気みたいなの、わかる? だから俺しかいないのに訊くなって。なんつうですかね。カリスマ、とか言うと陳腐ですけど。「かけてみて、どうです?」「んー…………、ちょっと右鼻がつまってます、かね?」「いや、今ので大体レンズの真ん中に眼が来てるんやけどね」「あー…………。じゃあこれまでのやつのズレが酷かっただけで、慣れたらしっくりくるんですかね」「せやろね」みたいな。まあ、そうやって調整したら、実際確かにしっくりくるような気になってくるわけ。元々、フレームのメーカーのコンセプトがそういう感じ、ってのもあるんだろうけど。
 で、そっから眼鏡屋を出て買い物に行くんだ。まあ視界が変わるってんで、さすがにいきなり自転車には乗らないで、歩いて行くんだけど。まあ、やっぱり見え方がちょっと違うですよ。これまでの眼鏡の傷が酷いにも程があって、それがなくなっただけで相当見えやすくはなってるんですけど。でもなんていうのかな、視界の左側の立体感がちょっと違うような気がするんだね。まあ嫌な感じではないんだけど、見え方が変わってるから少し酔う感じがするんだよ。なんでもかんでもこの話に持っていくのはなんだけど、前に耳の病気をした時に、これからは三半規管でバランスをとる能力が落ちたぶん、平衡感覚を眼で補正する割合が多くなるよみたいなことを言われてるし、まあだから、見え方が変わると、バランスを崩しやすくなっているのかもしれない、という感じですかね。なんか、フレームを選んだときにも思ったけど、6万かけて、そんなに変わったわけでもなく、見え方はむしろ酔う、とかだとちょっとがっかりだなーと思いながら歩いてて、で、信号待ちで少し立ち止まって、空を見上げたのね。そしたら、夕暮れで群れを成して飛んでる鳥が見えて。その、遠くの空に、黒い点みたいなのが集まって飛んでる、みたいな感じで。「あー」と思って。「これ、今まで見たことなかったやつだ」と思って。だからまあ、そうですね、今度、立ち止まって見上げてしまうほどの星空が見えたなら。俺はこの眼鏡を買ってよかった、とか思うようになるんでしょうね。