森田季節 『不動カリンは一切動ぜず』

 生体をいじったり社会を情報化したりな近未来SF。後半は、なんか知らんが異能バトルにローカルな仏教神道ネタを絡ませてたりで思いの外ラノベ寄りで、前半の品のいい百合目な少女小説っぽい雰囲気が台無しになるくらいの加速度。登場人物の1人1人がちゃんと語るべき物語を持っているのだけれど、密度的にもやたら説明口調な会話が多かったり、ちょっと出てくる人数自体が大過ぎかなというのも。

不動カリンは一切動ぜず (ハヤカワ文庫JA)

不動カリンは一切動ぜず (ハヤカワ文庫JA)