100701-02

  • ぽるちんぜみ
    • 2.7。まあ頑張れ。
  • ぎんすぱーぐ
    • 8章少し。楽しくはない。

 大学院に入ってね、なんか学食行くようになったですよ。夕ご飯に。先輩たちと一緒に。俺はそんな時間まで毎日研究室に残ってるわけでもないので、まあ週1か週2か、そんなもんでしょうね。楽しい楽しくない以前に、俺ってば他の人と一緒に飯食うとかそういうのは得意ではないじゃないですか。他の人の前だといつもやってる反芻も7回くらいに留めておかなくちゃいけないし。まあそんなわけで、適当に先輩方の話を聞き流してへらへらしながら黙々と飯を食ってたりしてます。
 あー、で、こないだ、もう1週間前になりますか、倒れて怪我したときに頭打ったんですけど、そっちの傷は別にもう痛くなくて、まぶたの上を3針縫ったところで日常的には「なんかまぶたが痙攣してるけど、これは眠いからじゃなくて怪我したからだよね。じゃあもう少しエロゲやろ」なんつって3時くらいまでエロゲやって、で次の日にゼミを寝飛ばすくらいの影響しかないですよ。だからその倒れた影響で大きいのは、その倒れた際に下唇に犬歯が刺さった傷の方なんです。普通にしててもこれがなかなか痛くてですな、なんか気にならないときは全然気にならないんですけど、一旦痛み始めるとこれがどうにもならなくて、「あーもう! あー、もう! もうもう!」ってなるわけです。特に面倒なのがものを食うときで、刺激物、酸っぱいものとか辛いものを食べると、「今から左手の人さし指を折って、その痛みに集中している隙にこのオレンジを……」とか思うくらいには痛いわけです。それでいて一応倒れた原因が貧血っぽいので、なんぞ事情を知る人に会う度に「ちゃんとお食べなさい」やら「肉食え肉」やら言われるわけで、まあ自分でもちょっと気をつけて量食べないと駄目だなーなんて思ってます。
 まあそれで今日の夕方、それこそ怪我をして以来初めてかな、先輩方と学食行きました。適当にメニュー選んで、ちょっとレバーとか頼んでみたりすると、まあいつもより1品か2品か多くなるわけです。それでいて適当にメインに頼んだ「さっぱりサラダ」とか言うのが、タマネギの上にレモン汁のかかってるっていうド直球に刺激物なんですよ。俺なんかただでさえ飯食うの遅い(1人で飯食ってると、途中で自分が飯食ってる最中であることを忘れるくらい時間かかる)わけで、もうこんなの、普通に食べたって、昼休みまでかかって給食のコッペパン食べ終わらないでえぐえぐ泣いてる女子小学生(ぱんつはいてない)みたいなことになりかねないメニュウなのに、それでいて周りの先輩方は普通に飯食ってるじゃないですか。これでこの人達が先に食べ終わって俺待ちなんてことになったらまた大変ですよ。先輩方全員で俺を囲んで高速で回りながら「乳っ首と指ーはーおっ友達ー」って歌を無表情で歌ってる中、その内の代表者がつかつかと中央の俺に向かって歩み寄り、俺の両人さし指をそれぞれ両乳首にまつり縫いしてセルフバッファローゲーム状態にするくらいのペナルティがあるはずなんです。恐らくですけど。それは恐らくというか、来年俺に後輩が出来たらやりたいことだよね。だからもう、急いでレバーとひじきとレモンタマネギを次々と口に頬張るわけ。あの時の俺、なんならもう涙目になってましたからね。だって沁みるんだもん、レモン。だもんとレモンをかけた大変面白い駄洒落。
 結局はギリギリで足を引っ張らずにすんだのかさり気なく俺に気を回してくれたのか、ちゃんと食べ終わりましたし、行き帰りの途中の雑談の結果、今後読むべき論文も教えて貰ったりしてるので全然いいんですけど。しかし当分他の人と飯食うのはいいや、夕飯時の研究所には近づかないようにしよう、と思いましたね。まあ甘い匂いとかが研究室の方から漂ってきたらふらふら誘われちゃうかもしれないけどね。甘いのは沁みないからね。食べながら泣いたりせずに済むご飯が良いご飯。